天理教が攻め込んできたとき、皇帝は皇后に黙って外出した後でした。
後宮の警備が手薄と知った皇后は、どさくさにまぎれて側室を殺そうとします。
そのころ後宮では、福貴人の棺を華貴人(玉瑩)が見送っていました。
棺に付き添う孫白颺と話した玉瑩は、深く傷ついた彼が去ることを決めたと知り、
はらはらと涙を流しながら別れの挨拶をかわします。
そのようすを、棺の中に身を潜めていた淳貴人(爾淳)が悲しく聞いていました。
孫白颺の前に、殺害の命を受けた孔武(ホンモウ)が現れます。
お前を殺せば安茜が助かる、自分も後を追って死んで償うと言う孔武。
ところが棺が階段から滑り落ち、中から爾淳が飛び出てしまいました。
そこへ天理教一味が襲撃。孫白颺は玉瑩を探しに行きます。
玉瑩は、孫白颺と結ばれた福貴人の部屋にいました。
爾淳が来て、孫白とのことがバレたと教えていると、続いて孫白颺も到着。
どうして二人のことがばれたの?と玉瑩は不思議がります。
ごめんなさい!と謝る宮女・蘭(ジーラン)の背に、飛んできた矢が刺さりました。
おでぶの陳爽(チャンソン)は、再会した孔武に、如妃に会わせろと迫ります。
孔武は、如妃が宝嬋(ホウシン)を殺していないことを説明。
陳爽が自分の誤解を悟ったとき、賊が乱入し、孔武の腕の中で息絶えました。
敵の身体を確かめると宦官だったため、如妃は「天理教ではなく皇后の刺客ね」。
孔武と安茜は、城外へ逃げましょうと如妃を促しました。
人をだますことだけ学んだ、今さら外で暮らせないと如妃は断り、
(安茜と如妃の)どちらか一人を選べと孔武に言います。
安茜の手をとる孔武に、行きなさい!と如妃が強く命令するのでした。
身体が弱い爾淳は、息が続かず、城から逃げるのをあきらめかけていました。
孫白颺は、福貴人の言葉を思い出させて励まします。
そんな中、まだ闘う!と言って宮中へ戻る玉瑩。
自分自身のために生きてほしいと引き止める爾淳に、
城の外で会いましょうと言い残して、孫白颺は玉瑩の部屋へ。
しかし玉瑩は、自分が逃げた後の母親の処遇を思い、逃げようとしません。
暴徒から貞操を守るために自害したら面子が大事な皇帝はむげな扱いはしない・・・
と自害しようとする玉瑩を、孫白颺が止めます。
そのとき、皇后の意を受けた宦官たちが、部屋の戸に釘を刺し、火をつけました。
煙に包まれる二人。あの晩本気だったか知りたいのね?と玉瑩は尋ねると、
その答えのように孫白颺に口づけて泣くのでした。
爾淳と安茜はどこへいったの?と苛立ちまくる皇后の前に如妃が現れ、
宦官を暴徒に変装させたことや火を放ったことを指摘し、
昔も今もこれからもあなたの敵は私だ!と宣言。
その帰り道、抱き合ったまま黒こげになった遺体が見つかったと知ります。
自分を気遣う家来に、好きな人と死ねるのは幸せなことだ答える如妃。
家来から遺品を受け取ろうとすると、カラスが奪っていきました。
約束の時間になっても現れない孫白颺を待っていた父の孫清華は、
カラスが落とした焼け焦げた遺品を見て、息子の死を知ります。
孔武と安茜は一人でさまよう爾淳と合流し、無事に城から脱出。
三人は、孔武が操る馬車に乗っていました。
矢に刺さったことを隠していた安茜でしたが、その傷に爾淳が気づきます。
安茜は、如妃さまが託したこと(城からの脱出)をあなたに託したいと話し、
故郷がない爾淳に自分の故郷へ行くことをすすめます。
死なないで・・・と泣く爾淳。これからは自分のために生きてと安茜は言うと、
手綱を引く孔武に寄り添い長い眠りにつきました。
傷のことを知らない孔武は、愛する安茜を横に、ひたすらに馬を走らせています。
空には刺繍入ハンカチが舞い、詩を読む如妃の声が響いていました。
―― 完 ――
※この物語に出てくる皇帝(嘉慶帝)や皇后(孝和睿皇后)は実在の人物です。
※皇后は側室出身の二番目の皇后で、皇帝の後は前皇后の息子が継ぎました。
※如妃(恭順皇貴妃)も実在の側室のよう。
彼女が生んだ第五王子(恵親王綿愉)は、大将軍になり、
太平天国軍と戦い、北京の防衛のために活躍した人のようです。
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