燕山君ご一行は2日間何も食べずに喬洞(キョドン=江華島の奥)に向かいます。
海を前にした燕山君はかつての暴君ぶりが信じられないほど平穏な面持ちでした。
王への怒りがぶつけられたチャン・ノクスの遺体は4日以上も放置されていました。
ノクスの使用人たちが見張りの役人を倒して運び去って山奥に葬ってやり、
キム・ヒョソンとチュンボム父子がお参り。悪口先生が号泣します。
そして斉安(チェアン)大君と夫人キム氏もノクスのことを偲んでいました。
ノクスの芸ではなく「決してあきらめない」という欲望に惹かれた、
一緒にいれば不思議な力が沸いたのだ・・・と斉安大君が夫人に話します。
武官だったパク・ウォンジョンは異例の出世を果たして右議政の地位を得ました。
新しい王妃などとんでもない!王位を降りる!と中宗の憤慨は続いていますが
中宗の正室シン氏(後の廃妃シン氏)の入宮はいまだ認められておらず、
特にパク・ウォンジョンと武霊君ユ・ジャグァンが強硬に反対していました。
廃王(燕山君)の処遇をめぐっても、始末すべき!と主張しています。
さらにパク・ウォンジョンは燕山君時代に修正された記録を元に戻させ、
燕山君の詩も燃やすなど、燕山君への恨みをとことん晴らし続けました。
対して左議政キム・スドンやパク・スンジル、ユ・スンらは温情路線です。
宮殿を出て実家へ戻った燕山夫人シン氏は、喬洞に行きたがっていました。
中宗夫人シン氏は後に岩にチマをかけて王の呼び出しを待ち続けることになります。
「放っておけば花は枯れる」から燕山君に手を出すなと中宗に説く斉安大君。
実権がないからすることがないと言う王に、じゃあ美人を集めては?と笑います。
さて燕山君に付き従った宮女ソヒャンは実は敵の手先だったようです。
なにやら薬を仕込み、そうとは知らず燕山君に食べさせてやるスグンビ。
ノクスといるときはお互いの口に食べ物を運んだものだと燕山君が懐かしみます。
ブツの効き目はゆるやかなようで、燕山君はすぐには亡くなりませんでしたが、
そのあとで詩を書いているときに血を吐いて倒れてしまいました。
焦点が定まらない燕山君の脳裏に、キム尚膳や生母ユン氏やノクスが浮かびます。
多くの人を殺しすぎた、だからこんなに体がつらいのだ・・・と話し、
ノクスの名をつぶやきながらスグンビの胸で亡くなりました。
国葬を命じる大妃(貞顕王后)に、王子としての扱いでの葬儀を功臣らが提案。
罪人だからダーメ!と独裁を貫くパク・ウォンジョンにさすがの大妃もキレてます。
エンディングシーンがすごくヘンです!林立するロウソクの前で人々が踊ってます。
そしてナレーションおじさまが次のような説明で〆てくれました。
「燕山君が暴君であったのは事実だが、王室の権力争いの犠牲者でもあった。
仁粹大妃の冷酷さが燕山君の劣等感の原因とはいえないだろうか?
燕山君は英明で多くの詩を書いたのに、後世に残されたのは稚拙な作品ばかり。
なぜすぐれた詩が燃やされたのか?そこに作為がなかったのだろうか?
強大な権力を手にした最後の王である燕山君を、新たな解釈で描いた・・・」
―― 完 ――
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