世継ぎ事件で正祖に警戒心を起こさせているところに
孝懿(ヒョイ)王后への毒盛りが発覚したことから、
ホン・グギョン(洪國榮/洪国栄)のこの世の春はたった4年で終了。
財産を没収され、地方に追放されてしまいました。
ある本には「正祖が臣下の弾劾を誘い彼が自ら退くようにした」ともあります。
父・思悼(サド)世子の死を招いた外戚争いや党争を嫌っていた正祖。
その考えをよく知っていたはずのグギョンなのに
いつのまにかみずからが正祖の障害となってしまっていたのですね・・・
ただ歴史の記録にはおもしろいエピソードが残っているようです。
グギョンの財産を没収しようとしたらほとんどなかった(私欲はなかった?)、
(まだ遠地の故郷ではなく)都の外に追放されていたグギョンを
正祖は夜になるとこっそり宮中に呼んで一緒に酒を飲み明るくなる前に帰した、
流刑地のグギョンと正祖は手紙のやりとりをしていた・・・などなど
二人には単なる王と臣下を超える結びつきがあったことが伺えます。
流刑された翌年の1781年(正祖5年)4月5日、
グギョンは病にかかり享年34歳でこの世を去りました。
グギョンと必ず結びついて登場する「勢道」という言葉ですが
本来は「世道」の別名で、世の中を正しく治める道を意味します。
しかし「勢道政治」はこれとは異なり、
臣下が強力な権勢をにぎる政治形態のことを呼ぶそうです。
この「勢道政治」が登場したのはホン・グギョン時代ではありますが、
本格的な勢道政治は正祖の子供である純祖時代以降に始まるそうです。
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私は「王道」は見てないので「イ・サン」でのホン・グギョンしか知りませんが、
>グギョンの財産を没収しようとしたらほとんどなかった(私欲はなかった?)、
これを見て、なるほど世のためのこともちゃんと考えてた、
悪い人というわけではないのかもしれないと思いました。
(いや、別に「悪い人」とは言われてないだろうけど)
「イ・サン」でもクギョンの最期は何だか哀れに見えてしまいましたし…(^_^;)