第16話 反対の嵐
カン・チェユンがたった半日で新しい文字を覚えたと知った世宗イ・ドは大喜び。
自分の真心ではなく新しい文字が彼の心を変えたと知るとさらに喜んじゃいます。
それこそが世宗がカン・チェユンに求めていた「判官」だったのですね。
こうして世宗側についた彼は、密本(ミルボン)捕獲のための提案をします。
「彼らは私の目的が自分たちと同じ(=世宗暗殺)だと気づいているはず。
広平大君が戻ったのを伏せたまま私が兼司僕に復帰すれば近づいてくるでしょう」。
密本を捕らえて文字を公布できれば望みを聞いてくれますか?とも願いました。
泮村のトダム行首に剣を突きつけて「密本だろ?」と迫るカン・チェユン。
一方、コクセおじさん(密本)に事情を聞かれたソイは涙を流して女優をし、
オラボニが広平大君を殺したの!王様に復讐すると言ってる!と告白しました。
カン・チェユンと目的が同じだと思い込んだ密本は、彼と組むことにします。
文字創製は夷狄(いてき≒反中華)です!と官僚たちが出仕拒否&座り込み。
どうして文字創製が朱子学を捨てることになるの?議論しよ♪と世宗は皆に問い、
徹底的に議論して(チョン・ドジョンの著書も引用して)論破し倒します。
「パスパ文字だって消えたし朝鮮の新しい文字もどうせ誰も使わないっしょ?」。
こう考える密本は、文字の公布をしぶしぶ認める代わりに王と取引させることに。
その条件とは、宰相総裁制と議政府署事制の定着、そして集賢殿の撤廃でした。
右議政イ・シンジョク(密本)が領議政ファン・ヒに相談して意見をまとめ、
皆の不満の元である集賢殿の撤廃を申し入れると「撤廃!?」と世宗はワナワナ。
でも世宗はあらかじめ領議政に手を回し、事態を誘導していたのでした。
集賢殿は世宗を守る一時的な組織だったそうで、文字の公布が絶対目標。
文字担当の諺文庁(オンムンチョン)や正音庁(チョンウムチョン)を設置し、
議政府でも文字を使わせ、科挙の受験科目にも導入するつもりだったのです。
領議政が引退して宰相総裁制が進めばオレの天下じゃん♪とウハウハな右議政は、
お前もそろそろ本元につくかオレにつくか決めろ♪とシム・ジョンスに持ちかけ、
けれどもシム・ジョンスは本元と密本への忠誠心が厚いようでムッとしてます。
そんなシム・ジョンスは、上司チェ・マルリの言葉が気にかかっていました。
「王様がひそかに13年間もかけて進めてきた文字だ。すぐに消えると思うか?」。
同じ頃、文字創製の資料を解読していた密本の参謀ハンが、愕然としていました。
新しい文字はたった28字でほぼすべてのものを表せる上、覚えるのもカンタン。
泮村のケパイ(もう一人のすご腕)や幼いヨンドゥでさえもすぐに習得したのです。
文字を読めるのは士大夫の特権の源!公布を阻止せねば!とカリオンが焦ります。
スポンサード リンク