「王女の男」の主役であるキム・スンユは、
世宗時代から重用されてきた朝廷の有力人物キム・ジョンソの息子。
キム・ジョンソは「大王世宗」ではよく屋根に上って政治的主張を叫び、
「王と妃」では権力を握った人物として登場し朝廷を仕切っていました。
その三男として、キム・スンユという人は実在していたようです。
一方、ヒロインのイ・セリョンは、実在したかどうかが不明な公主。
というのも、正式には世祖(首陽大君)と貞熹王后の子供は3人とされており、
桃源君(仁粹大妃の夫)、海陽大君(睿宗)、懿淑(ウィスク)公主だからです。
(懿淑公主はチョン・インジ息子のチョン・ヒョンジョと結婚した人ですね)
じゃあセリョンっていったい誰?となるわけですが、
実は懿姈(ウィリョン)公主という娘がいたという記録もあり、
1446年当時首陽大君に1男2女がいたと『世宗実録』には記されているとか。
(このとき末っ子の海陽大君はまだ生まれていません)
キム・スンユとイ・セリョンの逸話が書かれているのは『順天金氏大同譜』。
イ・セリョンの記録は削除されたという言い伝えもあるそうですよ。
ただ実際にはキム・スンユはドラマで描かれる時期にはすでに婚姻済みで、
(お相手は驪興ミン氏の家門の女性のようです)
イ・セリョンの恋のお相手はキム・ジョンソの孫キム・チャドンであると
高宗10年に出版された『錦渓筆談』(詳しくは
こちら)には書かれているそうです。
歴史上にいたのかもしれないし、いなかったのかもしれない・・・。
悲しい恋があったのかもしれないし、なかったのかもしれない・・・。
そんな二人に息を吹き込んだドラマが「王女の男」のようです。
いつもながら、丁寧な解説、ありがとうございます。
「王女の男」はDVDリリース前、「姫の男」としていくつか見ていて、ロミジュリじゃあ恋愛ベースで私の好みじゃないかな?と敬遠していました。うめ子さまのセンスを信頼しているので、忌憚ないご意見をお聞かせくださると幸いです。不精で申し訳ないのですが、中国韓国時代劇で見たいものがたまってきたので、ある程度選別しないと収拾がつかなくて・・。不謹慎ですがこのドラマのビジュアルの派手さもあまりピンと来ていません。うめ子さまはご視聴になっていかがですか?よかったらご意見を教えてください^^