ロミオとジュリエットにたとえられているらしい「王女の男」。
首陽大君(後の世祖)の娘と重臣キム・ジョンソの息子が主役です。
ロミオとジュリエットといわれるからには、もちろん両家の仲が悪いわけで、
今回はそのあたりの背景を簡単にまとめてみたいと思います。
<文宗の時代>聖君と呼ばれた世宗がこの世を去った後、王位は文宗に引き継がれました。
文宗は内侍を重用した王様で、寵愛された内侍としてはオム・ジャチが有名です。
また、世宗の忠臣として顧命(コミョン)を託された右議政キム・ジョンソ、
カリスマ性のある首陽大君(文宗弟)ら王族勢力が争っていました。
病弱だった文宗の在位は約2年。次は11歳の世子が即位して端宗が誕生します。
このあたりの事情は
<「王と妃」あらすじ簡易版 1~10話>でも読めます。
<端宗の時代>王が幼くても、生母(大妃)や祖母(王大妃)とその一族が補佐することで
王が成長するまで王権を維持し、その後で王権を強化すれば問題はありません。
ところが端宗が即位したとき、大妃も王大妃も逝去しており不在でした。
(このため「王と妃」では先代や先々代の側室がプチ権力争いを繰り広げます)
朝廷は先代からの重臣であるキム・ジョンソ(やファンボ・イン)が牛耳り、
王族勢力の中では首陽大君と安平大君(どちらも世宗息子)が争っていました。
こうして起こったのが、大きな政変かつ悲劇である
癸酉靖難(ケユジョンナン)。
これにより政敵を一斉に排除・粛清した首陽大君が、全権力を掌握。
やがては端宗を退位に追い込み、世宗の次男ながら王座につき、世祖となりました。
癸酉靖難の少し詳しいようすは
<「王と妃」あらすじ 31話>などでわかります。
<世祖の時代>夢の王座をゲットした世祖にとって、目の上のタンコブだったのが、端宗支持勢力。
彼らが起こした政治的な出来事は「端宗復位事件」などと呼ばれています。
最初の事件の主役は、世宗に寵愛され、次王の補佐を頼まれた集賢殿の学者でした。
端宗に忠誠を誓っている彼らは、二君には仕えられない!とクーデターを計画。
ですがあえなく発覚し、決して首陽大君を王だと認めなかったため、処分されます。
この
「死六臣(サユクシン)」と呼ばれる6人ではソン・サンムンが有名ですが
「王女の男」冒頭から登場する学者先生イ・ゲも命を落とした一人です。
この後も世祖の実の弟である錦城大君が歯向かう企みを立てて賜薬を下されます。
寧越の地に流されながらも命は助かっていた端宗は、これらの事件で立場が悪化。
王位を脅かす危険な存在として、16歳でこの世を去ることになります。
即位前も即位後も粛清しまくった世祖は、強固な王権を築いた王として有名です。
NHKBSでやっていたトンイが終了しました。
次はなんと王女の男だそうです。笑。
でわでわ失礼しました。