「お前は兄弟だから仲良かったけれど、お前の側近は怖かった(山賊ですしね)。
撃毬(キョック)ばかりして芝がすり減ってしまったよ、玉座はつらかった。
でも二代目の王としてボクの名前も残せたし、お前のおかげだな~わっはっは」。
狩りの帰り道、定宗が世子バンウォンに晴れ晴れとした表情で笑って語りました。
世子妃ミン氏が王子3人を並べて(ちょこんとした後姿がカワイイ)説きます。
「お前たちは父上の兄弟のように争ったりせず、みんなで仲良くするのですよ」。
王子たちはミン家で育てられたので、叔父のミン兄弟になついているんですね。
入室してきたミン・ムグにわらわらと駆け寄って群がる姿もとてもカワイイです!
この2年が20年に感じるほど長く辛かった・・・と王妃(定安王后)はしみじみ。
人徳ある王妃が去ることになって提調尚宮ヨム尚宮が悲しそうにしていますよ。
朝廷は譲位の用意で大忙し。ハ・リュンはクォン・グンに王命文作成を頼みます。
功臣たちはバンウォンに抱きついて再会を喜び、官位の返還を約束されました。
新たな人事も早々に検討され、臺諌だったパク・ソンミョンを都承旨に任命。
76話に初登場した彼ですが、バンウォンと成均館で一緒に学んだダチだそうです。
即位の前夜、ハ・リュンがイ・スクポンとミン兄弟を集めてこう呼びかけました。
「まだまだ不穏分子はあちこちに潜んでいます。警戒を怠ってはなりません。
褒美を求めればまた悲劇が起こります。派閥をつくらず新王に尽くしましょう」。
上王・太祖の許可をもらわないまま即位するのが気がかりで仕方ないバンウォン。
譲位のしらせを五台山で受け取った太祖は、机をバンバン叩いて大噴火しました。
怒りを忘れて許せという無学大師の教えもバンウォンが絡むと効き目ナシです。
定宗2年(1400年)11月13日、バンウォンが王印の箱(ただし空)を受け取り、
父の太祖が即位したのと同じ寿昌宮(スチャングン)で即位式が行われました。
多くの人の死を経て王位を強奪したに等しいこのイ・バンウォンが、太宗です。