第38話「ヨンチャン大君の危機」
医女を引き連れたウムドク(ケシ付き女官)は王命を盾に大妃殿へ入りました。
大妃(仁穆王后)が毅然と言い返すも、ケシは大妃殿の女官を兵士に痛めつけさせ、
なんと死に至らしめてしまい、これにはクァンヘ君(光海君)も王妃ユ氏も引きまくり。
ついに大妃は王命を受けに行くために自分から大妃殿を出ますが、
ケシの命令を受けた女官たちがすかさず大妃と大君を力づくで引き離しました。
どこまでも意地悪そうな目でニヤリと大妃を見つめるケシがコワいです。
ヨンチャン大君(永昌大君)と仲のよかった皇太子が王妃ユ氏に泣きつくと、
謀反に関わったとされた以上罪人だから関わってはだめと言い聞かせられます。
町では大君や大妃まで狙うクァンヘ君に反感を持つ者が目立ち始めていますが、
後にインジョ(仁祖)を擁立したイ・グィはホ・ギュンを理想主義だと評し、
手を組むつもりはないようです。(ホン・ギルトンという判書の庶子が義賊になり
理想国をつくる小説『稗官小品』を書いたのがホ・ギュンだそうです)
先王ソンジョ(宣祖)の側室インビン(仁嬪)は大君の悲劇を涙で受け止め、
自分たちが“王気説”の噂の的になっていると知るとおののき、
息子チャンウォン君(定遠君)と孫ヤンヌン君(綾陽君)=後の仁祖の身を案じます。
息子を奪われた大妃の嘆きは深く、豆の粉を水で溶き1日に一度だけ飲んでいたと
『癸丑(ケチュク)日記』には記されているそうです。
追放を決めたとはいえ、異母弟ヨンチャン大君はまだ8歳。
江華での暮らしには特別に配慮せよとクァンヘ君が指示を下します。
宮殿を出されたヨンチャン大君は都の民家に置かれた後、江華に移されました。
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