第52話(最終話)「キム尚宮とクァンヘ時代の最後」
逃げずにここで逆賊をおさえる!と啖呵をきったクァンヘ君(光海君)でしたが、
ケシが大殿に急ぐともぬけの殻・・・!でした。(逃げたんですね♪)
あんたのせいよ!王のことなんて知るもんですか!と王妃ユ氏は自分のことだけ。
それに対して最後までクァンヘ君のことを考えていたケシはちょっと感心ですね。
逆賊の一味を憎憎しげに罵倒するひん曲がった表情が見もの♪でした。
逆賊はケシに矢を向け、ウォンピョがかばって死に、続いてケシも射られます。
クァンヘ君と王妃ユ氏、そして皇太子夫妻の行方がわからない中・・・、
宮殿には新しい王としてヌンヤン君(綾陽君)が迎えられました。
誰ともわからぬ侵入者に礼を捧げろだと?と都承旨が反抗していましたが、
クァンヘ君の命は助けると聞いてやっとヌンヤン君に礼を捧げています。
即位の手続きには王室の長である大妃(仁穆王后)の許可が必要でした。
宮殿の警備が手薄なため、イ・グィが西宮(慶運宮)へお願いに行くと、
私を大妃を認めるならそれなりの礼を尽くせ!と大妃が強気に命令しました。
今度は都承旨と承旨を連れてイ・グィが再び大妃殿へ行くと、
王を勝手に決めておいて私を連れていくだと?と怒号を浴びせられ、
前王やイチョムを打ち首にして済州島から母を連れて来い!と命じられます。
訓練大将イ・ホンリプがクァンヘ君らの隠れ家を突き止めて拘束しました。
ヌンヤン君みずから西宮へ行くと「前王が奪った御宝を戻せ」と大妃が要求。
その御宝を他の誰かに渡されたら大変なのでキム・ユは渋りますが、
私に他意はない!この惨めな西宮では即位できないのか?と大妃はお怒り。
ヌンヤン君は御宝を西宮へ運ばせ、大妃はそれをヌンヤン君に授けました。
こうして朝鮮王朝16代目の王であるインジョ(仁祖)が誕生します。
王大妃となった仁穆王后は、クァンヘ君や逃亡中の臣下の処刑を強く望みます。
もと王妃のユ氏は、クァンヘ君が家臣やケシを追放しなかったことを責め、
そんな家臣を置いた自分が愚かなのだとクァンヘ君は静かに答えています。
前領議政パク・スンジョンは息子パク・チャホンとヒ素を飲んで命を絶ち、
イ・イチョムは逃亡途中に豆毛浦(トゥモポ)で捕らえられて義禁府へ。
最後までイ・イチョムは悪役に徹しクァンヘ君に罪をなすりつけませんでした。
“三昌”の一人だったユ・ヒブンも、チョン・イノンとともに処刑されます。
新しい朝廷では、廃母論に反対して配流されていたイ・ウォニクが領議政に、
キム・ユが兵曹判書になりました。大妃はクァンヘ君の死を強く望み続けるも、
家族を殺すとクァンヘ君と同じ罪を犯すことになるとキム・ユが反対。
そこで王大妃は、助命を認めるかわりに慶運宮の庭にクァンヘ君をひざまずかせ、
母を捨てて明を裏切ったことを責めるとある書状を投げ渡しました。
それにはクァンヘ君の「36の罪」が書かれており、大声で読み上げさせます。
こうして15年の治世を終えたクァンヘ君は江華島へ、ユ氏や息子夫妻は別の島へ。
クァンヘ君は66歳まで生き、仁祖19年(1641年)に済州の名もない谷で没します。
幽閉生活の記録はなく、済州島で詠んだ七言律詩が伝えられているそうです。
「吹きつける雨風の中 城の前を横切る 立ち込める瘴気の中 そびえ立つ楼閣
蒼海の荒波 浅い暗闇に押し寄せ 蒼い山の憂いある光 清秋を覆う
恋しき故郷 飽き果てた王孫草 旅人の夢は時に 帝子洲で覚める
国の存亡すら 消息が途絶え 霧がかった川面に 孤独な船が漂う」
―― 完 ――
※登場人物の整理やつぶやきなどは今後
こちらで記事にしていきます。